末路

結果こうなった。チラシの裏の読書感想文。

もしも人たらしがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(頼むから読んで!!)

今回読んだ本:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎夏海

今の上司は非常に政治力に長けている。というか、人たらしである。酒で仕事をとってくる非常に旧世代のタイプの仕事のやり方。別にそれそのものを否定するつもりはないが、技術職である我々の技術には目を向けず、酒の力で人脈を形成し、それによって売り上げにつなげるビジネススタイルでやってきたいまである。人は育ってないし、ビジネスモデル1本なのでリスクも高い高い。そんな状態で「あとよろしく」的な感じで組織を引き継いだわけで。きっつー。

先日この上司と、執行役員と飲みにいく機会あり、そこで執行役が「GRIT読んだかね?あれは読むべきだよ」と勧められたのですが(私は当然読んでた。神崎さんの訳は非常に読みやすい!)、GRITよりも、目の前のこいつに「もしドラ」読ませた方がいーんじゃねーかと思った次第です。

 

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人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な素質が必要である。真摯さである。
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そんな上司の行動例がこちら
・仕事の連絡はタイムリーにしない
朝令暮改は当たり前
・それによって周りの人間の予定が狂っても、ゴメンの一言もない
・事実を隠す(非常に身近な人間にも)
・キャバクラで値切る
・ホテルのキャンセル料を踏み倒す
・飲み歩いてホテルにAM3時にチェックインして、滞在時間が少ないからと値切り交渉する

 

“真摯さ”ってなにかね!?

 

ああはなるまい。と日々観察させていただいております。


※その他、気になったポイント
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* うまくいっている組織には、必ず独りは、手をとって助けもせず、人付き合いもよくないボスがいる。この種のボスは、とっつきにくく気難しく、わがままなくせ に、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれている者よりも尊敬を集める。一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期 待する。何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。

 

* 「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである。

 

* 顧客の要望に応える=企業の使命

 

* 企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業の二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングイノベーションである。マーケティングイノベーションだけが成果をもたらす。

 

* 専門家が自らのアウトプットを他の人間の仕事と統合するうえで頼りにすべき者がマネジャーである。専門家が効果的であるためには、マネジャーの助けを必要と する。マネジャーは専門家のボスではない。道具、ガイド、マーケティング・エージェントである。逆に専門家は、マネジャーの上司となりうるし、上司となら なければならない。教師であり教育者でなければならない。

 

* 消費者運動が起業に要求しているものこそ、まさにマーケティングである。それは企業に対し、顧客の要求、現実、価値からスタートせよと要求する。

 

* 人 のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であり、脅威 である。しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結 びつけ、人の弱みを中和することにある。

 

* 仕事を生産的なものにするには、四つのものが必要である。すなわち、
1. 分析である。仕事に必要な作業と手順と道具を知らなければならない。
2. 総合である。作業を集めプロセスとして編成しなければならない。
3. 管理である。仕事のプロセスのなかに、方向づけ、質と量、基準と例外についての管理手段を組み込まなければならない。
4. 道具である。

 

* 自己目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることにある。自己管理は強い動機づけをもたらす。適当にこなすのでなく、最善を 尽くす願望を起こさせる。したがって自己目標管理は、たとえマネジメント全体の方向付けを図り活動の統一性を実現するうえでは必要でないとしても、自己管 理を可能とするうえで必要とされる。

 

* 働き甲斐を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。

 

* 自らや作業者集団の職務の設計に責任を持たせることが成功するのは、彼らが唯一の専門家である分野において、彼らの知識と経験が生かされるからである。

 

* 企業の第二の機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生み出すことである。経済的な財とサービスを供給するだけでなく、よりよく、より経済的な財とサービスを提供しなければならない。企業そのものは、より大きくなる必要はないが、つねによりよくならなければならない。

 

* イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、機能を守るために時間と資源を使わない。機能を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる。

 

* マネジメントは自らの組織をして社会に貢献させるうえで三つの役割がある。それら三つの役割は、異質ではあるが同じように重要である。
1. 自らの役割に特有の使命を果たす。マネジメントは、組織に特有の使命、すなわちそれぞれの目的を果たすために存在する。
2. 仕事を通じて働く人たちを生かす。現代社会においては、組織こそ、一人ひとりの人間にとって、生計の糧、社会的な地位、コミュニティとの絆を手にし、自己実現を図る手段である。当然、働く人を生かすことが重要な意味を持つ。
3. 自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。マネジメントには、自らの組織が社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題の解決に貢献する役割がある。

 

* そのような正統性の根拠はひとつしかない。すなわち、人の強みを生産的なものにすることである。これが組織の目的である。したがって、マネジメントの権限の 基盤となる正統性である。組織とは、個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現さ せるための手段である。

 

* あらゆる組織が事なかれ主義の誘惑にさらされる。だが、組織の健全さとは、高度の基準の要求である。自己目標管理が必要とされるのも、高度の基準が必要だからである。

 

* 成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。すなわち、間違いや失敗をしな いものを信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である。弱みがな いことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れているほど多くの間違いをおかす。優れているほど新しいことを 試みる。

 

* トップマネジメントがチームとして機能するには、いくつかの厳しい条件を満たさないければならない。チームは単純ではない。仲のよさだけではうまく機能しない。人間関係に関わり無く、トップマネジメント・チームは機能しなければならない。
1. トップマネジメントのメンバーは、それぞれの担当分野において最終的な決定権を持たなければならない。
2. トップマネジメントのメンバーは、自らの担当以外の分野について意思決定を行ってはならない。直ちに担当のメンバーに回さなければならない。
3. トップマネジメントのメンバーは、仲良くする必要はない。尊敬しあう必要もない。ただし、攻撃し合ってはならない。会議室の外で、互いのことをとやかく言ったり、批判したり、けなしたりしてはならない。ほめあうことさえしないほうがよい。
4. トップマネマネジメントは委員会ではない。チームである。チームにはキャプテンがいる。キャプテンは、ボスではなくリーダである。キャプテンの役割の重さは多様である。

 

* 組織には、それ以下では存続できないという最小規模の限界が産業別、市場別にある。逆に、それを超えると、いかにマネジメントしようとも繁栄を続けられなくなるという最大規模の限界がある。

 

* 市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である。

 

* 真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず、人事に関わる決定において象徴的に表れる。真摯さは、とってつけるわけにはいかない。既に見 につけていなければならない。ごまかしがきかない。ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは、二,三週間でわかる。無知や無能、態度の悪 さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのようなものをマネジャーに選ぶことを許さない。

 

* マネジャーたるものは、上は社長から下は職長や事務主任にいたるまで、明確な目標を必要とする。目標がなければ混乱する。目標は自らの率いる部門があげるべき成果を明らかにしなければならない。他部門の目標達成の助けとなるべき貢献を明らかにしなければならない。

 

* これらマーケティングに関わる目標については、すでに多くの文献がある。しかしいずれも、これらの目標が、実は次の二つの基本的な意思決定の後でなければ設定できないことを十分強調していない。すなわち、集中の目標と市場地位の目標である。

 

* 古代の偉大な科学者アルキメデスは、「立つ場所を与えてくれれば世界を持ち上げてみせる」といった。アルキメデスの言う「立つ場所」が、集中すべき分野であ る。集中することによって、初めて世界を持ち上げることができる。したがって、集中の目標は、基本中の基本というべき重要な意思決定である。